円形脱毛症とは?
男性の薄毛症状の1つである円形脱毛症とはなにかということから、治療期間、診療科目について解説いたします。
円形脱毛症とは?
円形脱毛症は毛髪の一部が円形に脱毛する症状です。
昔から「10円はげ」と言われる部分的な脱毛症状も円形脱毛症の1つで、円形や楕円形に毛髪が抜け落ちてしまう(脱毛斑)疾患で、大人だけではなく子供にも起こる脱毛症です。
頭部だけではなく、眉毛、まつげ、体毛にも症状があらわれることもあります。
症状が治まっても再発することもあるのも円形脱毛症の特徴です。
円形脱毛症の種類
円形脱毛症もAGA同様、複数の進行タイプがあり、単発型や多発型、多発融合型、全頭型、汎発型などがあります。
単発型
10円玉程の大きさの脱毛症状が突然現れるもので、発症年齢は子どもから高齢者まで幅広いのが特徴です。
また、男女ともに発症比率もほぼ同率で、円形脱毛症の中では最も軽いものですが、一部、多発型に移行する人もいます。
多発型
単発型で作られる脱毛の症状が2箇所以上発生する症状で、頭部だけでなく全身で発生することもあります。
脱毛斑が結合していってしまうと多発融合型に拡大していく可能性もあります。
多発融合型
びまん性と蛇行性という二種類のタイプにさらに分かれます。
びまん性は全体に薄毛症状が、そして蛇行性は後頭部や側頭部が蛇のように生え際に沿って帯状の脱毛症状が現れます。
治療を継続する人のなかにはかつら(ウィッグ)も使用しながら長期的に円形脱毛症とつきあっていく人もいます。
全頭型
多発型からさらに症状が進行し、脱毛を起こしている箇所が重なっていくことによって頭部から毛髪のほとんどが抜け落ちる症状です。
治療が難しいため長期化する特徴があります。
汎発型
全頭型からさらに進行し、眉毛、まつげをはじめ体毛のあらゆる部位から毛が抜け落ちていくという症状であり、円形脱毛症だと気づきにくい症状と言われています。
治療を継続する人のなかにはかつら(ウィッグ)も使用しながら長期的に円形脱毛症とつきあっていく人もいます。
子供の円形脱毛症
子どもの場合は自分で髪の毛を抜いてしまう抜け毛症が原因の場合もありますので経過を観察しましょう。
円形脱毛症の原因
円形脱毛症の原因は自己免疫疾患による免疫機能の異常が大きな原因とされています。ほかにもアトピー性疾患やストレスも大きく関係し、遺伝的要因も解明されつつあります。
円形脱毛症の症状
円形脱毛症というと多くの方が「髪が丸い形にハゲてしまう」など、いわゆる10円ハゲの症状が一部分にできるものを想像すると思います。
しかし症状の重さによっては、円形脱毛症の症状が頭部全体に広がったり、さらに眉毛や体毛など髪の毛以外の部分にまで及んだりするなど、様々な症状が現れます。
また円形脱毛症の症状は、「初期症状」→「進行中の症状」→「回復期」と3段階に分かれて変化していく特徴があります。
それぞれの段階に応じてどんな症状が見られるのか、以下より順番に説明していきます。
初期症状
円形脱毛症の初期症状として見られるのは、次のような症状です。
・前触れがなく、突然髪が抜ける
・髪が抜け、頭皮が露出している部分がある
・脱毛の部位が丸く、周りとの境目がはっきりしている
・爪に小さなデコボコがある
・頭皮にかゆみや違和感がある
円形脱毛症について、よく「放っておいても自然に治る」と言われます。たしかに円形脱毛症は自然に治ることが多い疾患ですが、それは症状が軽いケースです。
症状が重いと治るどころか、さらに悪化して脱毛の範囲が広がって回復するまでに時間がかかる恐れもあります。
そのため円形脱毛症は初期症状のうちから治療を始めることで、治りやすくなるということを忘れてはいけません。
症状が進行すると
円形脱毛症は自覚症状が少なく、発症していることに気づかないまま放置してしまう方が多いです。また自然治癒するというイメージも強く、症状に気づいても何もしない方もいます。
先述した円形脱毛症の初期症状を放置していると、症状が進行して次のような変化が現れることがあります。
・日頃、抜け毛の数が増えている
・脱毛班の周りの髪が簡単に抜ける(痛みがほとんどない)
・抜け毛の毛根を見ると、先端が細く、とがって見える
・脱毛班の範囲が広がっている
このように円形脱毛症の初期症状が現れてから、さらに症状が進行していく時期を「急性期」と呼びます。急性期の期間は、初期症状が現れてからおよそ半年です。
円形脱毛症では、症状が単発型(脱毛班が1か所だけ)の場合、自然治癒で治ることが多い症状です。
ですが多発型や蛇行型などその他のタイプの円形脱毛症や、あるいは過去に円形脱毛症にかかった経験がある方などは、症状の進行が見られたら早めに治療を始めることをおすすめします。
回復期
円形脱毛症も、回復期に入ると次のような変化が見られるようになります。
・脱毛班の一部に、細く短い髪が生えている
・脱毛班に毛穴が見えるようになる
・脱毛班の周りの髪を引っ張っても、簡単に抜けない
・円形脱毛症による脱毛症状には、その形状以外にも特徴があります。
例えば男性のAGAの場合だと、抜け毛が増えたり、髪が成長できなくなることで徐々に薄毛が進行していきます。
そのため一気に髪が全て抜け落ちるということはなく、薄毛が進行した部分にもわずかながら髪が残っていることが多いです。
一方で円形脱毛症では、脱毛班が生じた部位の髪はきれいに抜け落ちるため、産毛も残りません。
それが回復期に入った円形脱毛症では、脱毛班に毛穴が見えたり、細く短い産毛が生えているのが見えるようになります。
さらに進行中の円形脱毛症の場合では脱毛班の周りの髪は抜けやすい状態にありましたが、回復期ではそう簡単には抜けません。
円形脱毛症の症状が見られたらどうすればいい?
円形脱毛症は老若男女誰にでも発症する可能性がある、意外と身近な疾患と言われています。
しかし、円形脱毛症について具体的に知っている方は、どれぐらいいるでしょうか?
円形脱毛症が発覚すると、精神的にショックを受けるものです。なかなか周りの人に相談しにくかったり、対処に悩む方も多いと思います。
もしも円形脱毛症が自分に発症してしまった場合はどうすればいいのか、その対策法について解説していきます。
円形脱毛症の治療方法
円形脱毛症の治療方法についてはステロイド療法がもっとも多く行われています。ほかにも局所免疫療法、冷却療法などがあり、他の脱毛症と同じように内服薬や外用薬を用いることもあります。
おおよその治療期間
円形脱毛症の治療期間は症状によっても異なりますが、軽度の症状である単発型の場合、約8割の方が発症後1年以内に症状の改善ができています。
その他の症状の場合、単発型に比べて治療に必要な期間は長くなりますが、適切な方法によって治療を進めていくことにより、治療が可能です。
治療のガイドラインは日本皮膚科学会で提唱されており、ガイドラインに沿って適切な治療方法を選択できるようになっています。
診療科目
円形脱毛症を治療・改善する場合、皮膚科のあるクリニックや薄毛専門のクリニックへの相談が推奨されています。
男女様々なお悩みを解消する美容クリニックも、薄毛治療に対応しているところもあります。
この中でも薄毛専門のクリニックは、医師のほかカウンセラーに治療の悩みや治療方法などの相談ができ、無料でカウンセリングを受けられる場合も多いため、積極的に活用してみてもよいでしょう。