円形脱毛症の治療方法に関して
薄毛の種類の一つ、円形脱毛症に関する治療方法について、詳細をご紹介いたします。
円形脱毛症の治療方法
円形脱毛症の治療法は原因によっても方法が異なってきますが、もっとも多くとられる方法が「ステロイド療法」です。
それ以外の治療方法としては局所免疫療法や冷却治療、紫外線治療、スーパーライザー療法などがあります。
ステロイド療法
自己免疫疾患による免疫機能の異常が原因となることが多い円形脱毛症には、免疫機能を抑える効果があるステロイドを使用します。
中でも単発型や多発型の患者に対しては有効だとされています。
脱毛を起こしている部位に対して直接注射する事によって、体内の免疫機能が正常にはたらく状態を作り出し、脱毛を改善させます。
ただし注射時にかなり強い痛みが発生するという点と、まれに注射部位の陥没も報告があるというデメリットもあります。
また長期に渡るステロイド治療を行う事によって、胃潰瘍や骨粗しょう症といった非常に重度の全身症状が副作用としてあらわれるおそれがあります。
局所免疫療法
広範囲にわたり円形脱毛症が拡がっている患者および、子どもの円形脱毛症の治療で使われるのがこの療法です。
スクアレン酸ジブチルエステル(SADBE)などの人工的にかぶれさせる化学試薬品を使用します。
症状が出ている約9割の人に発毛効果が認められるといわれています。
ただし、アトピー性皮膚炎、じんましん、湿疹がある人は症状が悪化するおそれがあります。
内服薬を用いた治療
内服薬は主に上記のステロイドのほか、
・抗アレルギー薬(第二世代抗ヒスタミン薬)
・セファランチン
・グリチルリチン、メチオチン、グリシン複合薬
といった内服薬が円形脱毛症に効果が確認されています。
外用薬を用いた治療
外用薬は主に上記のステロイドのほか、塩化カルプロニウムやミノキシジルが有効とされています。
軽度の円形脱毛症の場合はこれらを塗布し頭皮に刺激を与えることと、ストレスを軽減させることで、2~3か月で発毛が見られます。
冷却治療
脱毛斑に液体窒素などをあてることで免疫細胞の異常行動を抑え毛髪の再生をうながします。
ドライアイスを直接あてたりもするので若干の痛みを伴いますが、副作用がないのが利点です。
紫外線治療
PUVA、ナローバンドUVB、エキシマレーザーといった治療法で、皮膚病に対して行われる治療です。数か月間治療を行い、治療の長期化が見込まれる全頭型と反発型でも発毛の報告がされています。
軽度の患者より重度の患者に使われることがあり、子どもにはおすすめできません。
直線偏光近赤外線照射療法(スーパーライザー療法)
皮膚の奥まで届く特殊な赤外線で脱毛斑に照射して治療します。単発型および多発型に使用されることが多い治療法です。
スーパーライザーという装置を使用するため、スーパーライザー療法と呼ばれます。
自律神経に直接照射が可能なことから、自律神経失調症の治療にも使われています。
クリニックで治療する
このように円形脱毛症は個人で治療を行うのは難しい脱毛症です。
上記のような治療を行ってくれる皮膚科や薄毛専門クリニックを受診することをおすすめします。
薄毛専門のクリニックは毛髪のスペシャリストが治療やカウンセリングを行ってくれるため、自分がいまどのような症状なのかということや、今後の治療方針なども親切に教えてもらえ、カウンセリングまでなら無料というところも多いので、積極的に活用するとよいでしょう。
こうした薄毛専門クリニックのいい点はプライバシーの配慮があることで、一般の皮膚科よりも目立たずに、他の患者さんと会いにくいような配慮がされた待合室などもあるところが多いようです。