薄毛の種類のひとつ、びまん性脱毛症とは?
びまん性脱毛症とは女性の脱毛症状の1つです。
びまん性とは脱毛の専門用語ではなく、「病変が比較的均等に拡がる状態」を指す医学用語です。
つまり脱毛症状としては脱毛部分が一か所に集中するのではなく、頭部全体が薄くなる脱毛症がびまん性脱毛症です。
しかし女性の脱毛症は、びまん性と同じような症状になってしまう別の脱毛症もあります。
そこでこのページでは、びまん性脱毛についての紹介と、他の脱毛症との違い、症状、治療方法について解説していきます。
また、薄毛治療クリニックの紹介やそこで受けられる治療についてもあわせて紹介します。
びまん性脱毛症、FPHL(女性型脱毛症)、FAGA(女性男性型脱毛症)の違い
びまん性脱毛症は女性の脱毛症ですが、その他にFPHL(女性型脱毛症)、FAGA(女性男性型脱毛症)という脱毛症も存在します。
この違いについて共通する点もありますが、どう使い分けられているかの解説をします。
以下の表が、それぞれの違いについての説明です。
- びまん性脱毛症
頭部全体の髪の量が減る脱毛症 - FPHL(女性型脱毛症)
さまざまな女性の脱毛症全般の総称で、FPHLの多くはびまん性脱毛症に当てはまる - FAGA(女性男性型脱毛症)
男性がかかるAGAの女性版で、ホルモンバランスを原因として脱毛し、脱毛部分はある程度決まっている
FAGAもびまん性脱毛症の一部とされることもあります。
ただFAGAは、「女性ホルモンが減ることで、体内の男性ホルモンのが増加して脱毛するもの」だけを指すことが多くなっています。
対してFPHLは近年新しく定義された脱毛症です。
日本皮膚科学会が2017年に発表した男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインによるもので、女性型脱毛症(female pattern hair loss)の略であり、FAGAとの違うものとされています。
びまん性脱毛症の原因
びまん性脱毛症にはFAGA(女性男性型脱毛症)や休止期脱毛症が含まれます。
休止期脱毛症はヘアサイクルの休止期に、抜け落ちる髪が多くなる脱毛症です。
ちなみにヘアサイクルとは髪が成長から脱毛していく周期で、通常は以下のような期間で変化しています。
- 成長期 → 約2~6年
- 退行期 → 約2~3週間
- 休止期 → 約3~4ヵ月
そのため原因も脱毛症の傾向により違いがあります。
●FAGA(女性男性型脱毛症)
・加齢などによる女性ホルモンの減少による、体内の男性ホルモンが優位になる変化
●休止期脱毛症
・加齢によるホルモン以外の影響
・ストレス
・急激なダイエット
・貧血
・甲状腺機能の異常
・常備薬による副作用
以下のページでは更に詳しく解説しています。
びまん性脱毛症の症状
びまん性脱毛症には、以下の2種類があり、症状にも違いがあります。
- ホルモンバランスが崩れて起こるFAGA(女性男性型脱毛症)
- それ以外の原因で起こる休止期脱毛症
ホルモンバランスが崩れて起こる脱毛はFAGA(女性男性型脱毛症)で起こる症状は、短い軟毛が抜け落ちていくことが多く、側頭部の脱毛は起こりにくいのが特徴です。
対して休止期脱毛症は、通常休止期で抜ける毛髪の割合が10%程度なのが20%ほど抜けてしまう脱毛症です。
抜ける毛髪にも特徴があり、FAGAタイプの脱毛が短い軟毛なのに対し、すでに長く成長した硬毛が頭部全体から抜けていきます。
ただいずれの場合も男性とは違い、頭髪が完全に抜け落ちてしまうことは少なくなっています。
男性のAGAとはちがう症状のあらわれかたが特徴
「びまん性」とは広範囲にあらわれる病変を意味します。
その言葉のとおりびまん性脱毛症は広範囲や頭部全体に脱毛の症状があらわれる脱毛症です。
男性のAGAは特定の部位から脱毛症が始まった後に、その部位だけで症状が収まるのではなく、頭部全体で毛髪のボリュームが減ります。
びまん性脱毛症の場合、男性のように部分的に脱毛して毛髪がなくなることはあまりなく、強く太い毛が減少し、産毛や弱い毛だけになっていくような症状で進行していきます。
はっきりした脱毛箇所がないため、初期段階では症状の判断が難しく、気づいたときには進行してしまっているというケースも多いのが特徴です。
発症した際の初期症状
初期症状でびまん性脱毛症と自覚して治療を開始することが改善への1番の近道です。
以下のような症状は、休止期脱毛の症状で、進行すると多くがびまん性脱毛症と診断されるものなので、覚えておくとよいでしょう。
- 抜け毛の多さが気になりはじめる
- 髪が細くなった気がする
- 髪のツヤやハリが感じられなくなってくる
- 植毛治療
- 髪の毛のボリュームがペタンとして感じる
症状が進行すると
びまん性脱毛症は症状が進行してからはじめて自分が脱毛症であると自覚することが多い傾向にあります。
症状が進行してくると抜け毛が増えることと、中でも太く強い髪の毛が失われていくため、髪の分け目が目立つようになります。
毛髪は産毛と細い毛が残るだけになってくるため、全体的に地肌が透けるようになってきて脱毛症を自覚するケースが多いのが特徴です。
1日の抜け毛は約50~60本、シャンプーをしているときに約30本が抜けるとされ、この範囲なら問題ありません。
この基準を大きく超え、100本以上が抜けているようなら、すぐに原因を突き止めて適切な治療を始めましょう。
抜け毛を気にして治療もしない場合は、悩むことがストレスになり更なる悪影響を及ぼしてしまいますので注意しましょう。
びまん性脱毛症の治療方法
びまん性脱毛症と診断された場合、その原因によって治療方法も変わります。
FAGAタイプの脱毛症状が起こっている場合はホルモン補充療法で女性ホルモンを充填することで改善される場合もあります。
これ以外はどの症状でも治療方法は共通しており、以下のような方法を取ります。
- 頭皮環境を改善する
- 生活習慣を改善する
- 薄毛治療薬などを使用する
まずは頭皮環境の改善ですが、マッサージで頭皮を柔らかくすることで血行を改善させ、髪への栄養を届けやすくします。
毛髪の発毛や育毛に良いサプリメントなどを長期的にとるのも改善には有効です。
生活習慣の改善で特に重要なのは睡眠です。
特に「成長ホルモン」が分泌しやすい深夜に深い眠りにつくと、髪の成長を促しやすいとされます。
食生活も、髪の毛を作るのに重要なタンパク質、ビタミン、亜鉛を効果的にとることが重要です。
身体に悪いお酒やたばこを控えたり、ストレスを発散したりことも大切です。
ただし、これだけでは目覚ましい発毛は難しいものです。
確実に発毛効果を上げるなら、やはり薄毛治療を行うべきです。
市販の育毛剤もある程度効果的な成分のものがありますが、専門の薄毛治療薬を処方してもらう方が格段に改善効果を期待できます。
びまん性脱毛症以外の女性の主な脱毛症
びまん性脱毛症は、他の脱毛症と混同しやすく、どの脱毛症を発症しているかは簡単に判断できるものではありません。
女性の脱毛症にはどのような種類があるかを知っておくことで少しでも友好的な治療につながるよう、ここからはびまん性脱毛症以外の女性の主な脱毛症を紹介します。
FPHL(女性型脱毛症)
FPHLは女性が発症する脱毛症の総称です。
その他細かく分けられた脱毛症には特徴的な症状がありますが、FPHLにはありません。
FAGA(女性男性型脱毛症)
FAGA(女性男性型脱毛症)は、男性が発症する進行性の脱毛症であるAGAの女性版です。
しかし症状は、男性のように完全に脱毛部の髪が無くなることはほぼありません。
原因は、男性ホルモンが活発に働くことで起こると考えられています。
ただし男性用のAGA治療薬は、妊婦や授乳婦の女性が服用すると重大な副作用があり、そもそも女性には効果がないため、絶対に使用してはいけません。
女性専用の治療薬があるので、そちらを使用しましょう。
円形脱毛症
円形脱毛症はストレスが原因で頭皮の一部が円形に脱毛する症状です。
ストレス以外にも、自分の身体で外部からの異質な物質を排除しようと、毛根で正常な細胞を攻撃する自己免疫異常が原因の場合もあります。
円形脱毛症もびまん性脱毛の1つとされることもありますが、円形部は完全に脱毛することが多く、複数箇所でおこったり、いくつもの円形脱毛症が繋がって大規模は脱毛になったりすることもあります。
産後脱毛症
産後脱毛症は別名分娩後脱毛症ともいいます。
妊娠すると体内の女性ホルモンが大幅に増えて、髪が抜けにくくなります。
そして出産後に女性ホルモンが通常の量に戻ると、それまで抜けにくかった毛髪が一気に脱毛してしまうという症状です。
出産女性の約4割が経験するとも言われ、約1年で自然治癒する脱毛症ですが、脱毛量が多かったり、他の脱毛症を併発したりする場合は治療が必要です。
けん引性脱毛症
けん引性脱毛症は、ポニーテールなど頭皮に一定の負荷がかかるヘアスタイルを続けることで負荷がかかった部位が脱毛していく症状です。
引っ張って抜けてしまうというわけではなく、引っ張られた頭皮が血行不良を起こして髪の毛に栄養を送りにくくなるというのが原因です。
治療方法としては髪型や分け目を定期的に変えるだけで改善することもありますが、脱毛部の髪の毛を元に戻すためには治療を必要とすることもあります。
頭皮の状態が悪化することで起こる脱毛症
頭皮状態の悪化を原因とする脱毛症の代表例には脂漏性皮膚炎があります。
脂漏性皮膚炎は皮脂の過剰分泌で毛根が皮脂汚れで詰まったりフケが増えたりして髪の成長を妨げる脱毛症です。
また頭部白癬(しらくも)という、水虫の原因でも知られる白癬菌が頭皮で繁殖してしまい楕円形に起こる脱毛症もあります。
甲状腺機能の異常による脱毛症
甲状腺機能の異常は脱毛症状を起こすことがあります。
具体的にはバセドウ病、橋本病など、ホルモンバランスを整える甲状腺ホルモンの分泌を妨げる疾患です。
その他の原因
その他に脱毛を起こす原因として、髪の毛を作り出すたんぱく質を生成する機能を低下させる肝機能障害もあります。
また頭部に深い外傷を負うと、回復してもその部分の皮膚から発毛しなくなるということもあります。
びまん性脱毛症を治療するなら薄毛治療クリニック
びまん性脱毛症になった場合、自分で市販の育毛剤を買ったり、食事やサプリメント、運動で発毛する体質に戻したりするといった方法がありますが、これらには確実性がありません。
やはり薄毛治療を行っているクリニックに通うことが発毛には最も有効だといえます。
中でも、もっともおすすめなのが薄毛治療専門クリニックでの治療です。
薄毛治療クリニックなら、高性能の診断機や薄毛治療のためだけの各種検査を行っています。
さらに薄毛治療していることをあまり人に知られたくはないという人も多いですが、専門クリニックは下記のような数々のプライバシー対策がとられています。
- 立地が目立たない場所の入り口や、2階以上にクリニックを開院するなど配慮している
- 男女別々の入り口や、完全予約制、女性専用クリニックなど、他の患者に会いにくい
- 初診以外はオンライン診療で直接行かずに診断と処方を行うクリニックもある
クリニックで受けることができる治療
クリニックでは以下の治療を行っています。
- 薬による投薬治療
- 施術治療
投薬治療はその名の通り、症状に合わせた治療薬による治療です。
施術治療は医師や医療従事者が行う発毛のためのさまざまな治療ですが、主に行われているのは以下のような施術です。
- 発毛を促す栄養素や治療薬などを頭皮に直接注入するメソセラピー
- 細胞の成長因子を凝縮して注射などで直接注入する成長因子注入療法
- 自分の元気な髪の毛を毛根ごと脱毛部に移植する自毛植毛
- 薄くなった脱毛部に髪の毛のようなタトゥーを入れて目立たなくするヘアタトゥー
無料カウンセリングを使用する
クリニックでの治療の効果は確実ですが、これらの治療は保険がきかない自由診療です。
また、こうした治療のうちどの治療を受ければよいか、自分では判断できるものではありません。
そこで利用したいのが無料カウンセリングです。
無料カウンセリングは主に専門のカウンセラーが患者の脱毛症状に対しての治療プランの提案や頭皮状況のチェックなどを行ってくれます。
その最大のメリットは契約をしない限り料金が発生ということと、無料カウンセリングでクリニックを訪問することで雰囲気を自分で確かめることができるということです。
脱毛症に悩んでいる場合は、この無料カウンセリングをぜひ活用してみてください。