【医師監修】FAGAは継続的な治療が必要?治療方法やオンライン診療について
FAGA治療には、外用薬による治療や投薬治療、施術による治療があります。
治療方法は症状の進行具合によって異なるため、個人にあった治療方法を施すことがFAGAを改善する近道になります。
ここではFAGAの治療方法や費用の目安、自宅にいながら治療できるオンライン診療についてもご紹介していきます。
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記事の監修医笹瀬 晃弘(ササセ皮フ科)
ササセ皮フ科塚本院 院長、兼医療法人晃有会 理事長。
1993年に淀川区塚本にササセ皮フ科を開院後、大阪市北区、淀川区を中心に皮膚科医院を開設。
現在では大阪・兵庫に計7院の皮膚科を展開。単に治療を行うのではなく『きれいに治す』をモットーに単に治癒、回復、改善を目的とするのではなく、美容にこだわった最適な方法の選択と丁寧な治療を心がけている。
プロフィール:笹瀬 晃弘
公式HP:https://www.sasase.jp/
ササセ皮フ科 塚本本院の情報掲載中
FAGAの治療方法
FAGA治療といっても、その種類はさまざまです。
治療の基本となる治療薬(外用薬・内服薬)以外にも、施術と呼ばれている特殊な治療などもあります。
ここからは具体的にどんな治療方法があるのか、詳しく見ていきましょう。
外用薬
外用薬は頭皮に直接塗布するタイプの治療薬です。
気になるところへピンポイントで塗布することができ、効果がおだやかなことから副作用が少なく、扱いやすさがあります。
ミノキシジル外用薬は「第1類医薬品」として市販もされており、ドラッグストアや薬局で購入することができます。
手軽にはじめられるFAGA治療の1つです。
また、薄毛の状態によっては治療効果を高めるために、外用薬と内服薬のセットを医師が処方することもあります。
ミノキシジル外用薬
FAGA治療で使用する外用薬は主にミノキシジル外用薬です。
ミノキシジルには血管拡張作用があり、毛包(髪をつくる器官)を刺激することで次のような効果が期待できます。
- 発毛
- 育毛
- 抜け毛の減少
また、外用薬は気になる箇所だけを狙って塗布できるため、身体への影響が少ないのがポイントです。
ただし、効き目がおだやかであるため、薄毛の進行が軽度以上になってくるとスピロノラクトンなどのFAGAの進行を抑える薬の併用が必要になることもあります。
市販では、男性用と女性用のミノキシジル外用薬があるので、必ず女性用を使用するようにしましょう。
内服薬
内服薬は身体の中から作用し効果を発揮することから、局所的(頭皮のみ)に作用する外用薬よりも効果に優れた治療薬が豊富です。
以下では、4つの治療薬の効果や作用を紹介します。
ミノキシジル錠
ミノキシジル錠は、海外で重度高血圧治療に使用される薬で日本では未承認薬です。
発毛効果は認められておらず、死亡等の健康被害に対しては厚生労働省による副作用被害救済制度の対象外になります。
日本皮膚科学会では外用薬は推奨していますが、内服は「行なうべきではない」となっています。
- ミノキシジル錠
⇨ 頭皮の血流をコントロールする細動脈に作用 - ミノキシジル外用薬
⇨ 頭皮の毛細血管にのみ作用
副作用はむくみ、顔の過度の発毛、髪の変色、心拍数の増加です。
スピロノラクトン
スピロノラクトンは、FAGAの進行を抑える「予防薬」です。
利尿剤として利用されることもありますが、抗男性ホルモン作用を持っているため、服用することでFAGAの進行の抑制が期待できます。
また、ミノキシジルと併用することで、”進行の抑制、発毛・増毛”という相乗効果も期待できます。
パントガール
パントガールは、世界ではじめて女性の薄毛改善効果が認められた「飲む育毛剤」です。
髪の毛の成長に必要な栄養素などを含み、抜け毛の防止や発毛・育毛のサポートをしてくれます。
パントテン酸、ケラチン、シスチンなど髪の栄養をいくつも含み、他の治療薬と併用することで相乗効果が期待できます。
また、パントガールはこれまでに大きな副作用の報告もないサプリメントに近い安全性の高い治療薬です。
ルグゼバイブ
ルグゼバイブは、パントガールの主成分をベースに「馬プラセンタ」を追加配合したサプリメントです。
馬プラセンタには、
- 髪にツヤと潤いを与える
- ハリやコシ、弾力
- 傷んだ髪質の改善
- 抜け毛予防
など
こうした髪への効果はもちろん、馬プラセンタはアンチエイジングも期待できることから肌への効果も期待できます。
そのため、薄毛治療を行いながら、美のトータルケアも行えます。
施術
内服薬や外用薬をベースに、追加で行われているのが施術になります。
成長因子を用いた先進医療や、根本的に薄毛を改善できる治療などもあります。
ただ費用は高額なことから、誰もが受けられる治療とは言い難いところはあります。
ここからは施術にはどんな効果が期待できるのか、簡単にご紹介していきます。
メソセラピー・HARG療法
メソセラピーやHARG療法とは、成長因子を頭皮に直接注入する方法になります。
2つの違いとしては、
- メソセラピー
⇨ 成長因子をベースに、ミノキシジルなど独自に追加したカクテルを注入 - HARG療法
⇨ 150種類以上の成長因子のみを注入
成長因子はタンパク質の総称になり、特定の細胞(毛母細胞など)を分裂・増殖させることで髪の発育を促してくれる物質になります。
内服薬や外用薬の効果をブーストさせる役割が期待できるため、脱毛範囲が広がっている方は併用が推奨されています。
植毛
植毛は「自毛」と「人工毛」がありますが、国内では自毛植毛が一般的です。
FAGAの影響をほとんど受けない健康な髪が生えている”後頭部”や”側頭部”から、皮膚組織ごと気になる箇所に植え替える方法になります。
メリットとしては、
- 自然なヘアサイクルで髪が生えてくる
- 髪が定着した後は特別なケアやメンテナンスが不要
- ランニングコストがかからない
など
根本的な薄毛の改善、治療薬を毎日服用しなくていいなど、得られるメリットは大きいです。
ただ植え替える本数(グラフト数)によっては非常に高額になることから、慎重に検討することが望まれます。
FAGA治療の費用の目安
FAGA治療のそれぞれの費用の目安を紹介します。
治療目的 | 1ヶ月の費用 | 治療方法 |
---|---|---|
維持・予防 | 8,000~12,000円 | スピロノラクトン、パントガール |
髪の毛を増やす | 15,000~30,000円 | ミノキシジル+スピロノラクトン |
より髪の毛を増やす | 50,000~80,000円 | メソセラピー+ミノキシジル+スピロノラクトン |
※クリニックによって費用・治療方法が異なる場合があります。
施術内容 | 1回の費用 |
---|---|
メソセラピー | 20,000円~ |
HARG療法 | 80,000円~ |
植毛 | 800,000円~ |
※クリニックによって費用・治療方法が異なる場合があります。
治療内容によって費用も異なるので、予算や治療期間などを医師と相談しましょう。
FAGA治療は継続的な治療が必要
FAGA治療を継続的に続けることで、進行の抑制、発毛や育毛の効果が発揮されます。
しかし、治療によって髪が生え揃っても治療をそこでやめてしまうと、FAGAは進行性の脱毛症のため、再び薄毛が進行してしまいます。
そのため、FAGAの進行を抑えるのであれば治療は続けなければなりません。
FAGAの効果的な治療方法
FAGAは早期の治療が大事です。
症状が軽度であるほど、治療薬の効果が出やすく、改善もしやすくなるためです。
症状が重症化すると軽度な場合に比べて、治療期間や費用などの負担が大きくなってきます。
また「治療薬 + メソセラピー(HARG療法)」など、組み合わせることで効果UPが期待できることもあります。
オンラインによる診療も可能
薄毛は男性的なイメージが強く、デリケートな問題でもあることから、男性と同じクリニックに受診することに抵抗がある女性もいるかと思います。
そんな時には、「オンライン診療」の利用を検討してみてください。
ビデオ通話で医師の診察を受けられるため、自宅にいながら診察が行えます。
また、治療薬は郵送で送られてくるので、一切他人に出会うことなく治療が進められます。
ただし、施術を希望するのであれば医師による直接の治療が必要になるので、その際は通院してもらうことになります。
FAGA治療を始めるならまずは無料カウンセリングを受けよう
FAGAかを判断してもらうためにも、まずは無料カウンセリングを受けることがオススメです。
今ある髪の悩みが一時的なものであれば安心でき、もしFAGAであっても早期発見・早期治療を行うことができます。
クリニックとの相性や治療にかかる費用もさまざまなので、直接あるいはオンラインを通じて色々と相談してみてください。