スマートドラッグの種類と効果|危険な副作用
スマートドラッグは、脳の機能や能力を高めたり、記憶力、認知能力を高める薬品や化合物の総称です。
スマートドラッグの主な働きは脳の神経伝達物質や酵素、ホルモンなどの神経化学物質の供給を増やしたり、酵素供給量を向上させたりなど、神経の成長を促進させることで働くといわれています。
一部のスマートドラッグは処方箋医薬品で、認知学習障害やアルツハイマー病、パーキンソン病の治療の治療等に用いられています。
これらの医薬品は人間強化を目的とした様々な応用もされているので、インターネットで売買されており医療目的以外の個人的な認知能力向上を目的とし多くの人が利用しています。
2017年6月には厚生労働省により「医師の指導がないと、乱用や健康被害につながる」として、処方箋がなければスマートドラッグの個人輸入を認めないと発表され、同年11月には27品目が規制対象になると、原則輸入禁止になると決められました。
スマートドラッグの効果
スマートドラッグは、「頭がすっきりする」、「記憶力が向上した」などの効果が話題となりインターネットを通じて個人輸入されています。
ここでは、その中でも人気を集めているスマートドラッグの効果を紹介していきます。
プロプラノロールは、高血圧症や狭心症の治療薬です。 緊張や不安による心拍数の増加を抑える効果があることで、あがり症に効果があるとの事で使用されています。 プレゼンや発表会などでの緊張を緩和するために用いられています。 |
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ピラセタムはけいれん発作を軽くしたり、予防する薬です。 コリン作動系というタイプで脳の神経が活発になる薬です 集中力、頭の回転を速めたい時に用いられています。 |
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アトモキセチンはADHDの治療薬です。 主に不注意や多動、絡まった思考を抑える為に用いられています。 |
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シチコリンは、脳卒中、意識障害、頭部外傷の治療薬です。 脳内のアセチルコリンが増加することで学習能力や判断力を向上させるために用いられています。 |
スマートドラッグの副作用と重篤な副作用
賢くなりたい、集中力や記憶力を高めたいという思いで、スマートドラッグを使っている方や興味を持っている方は多いと思いますが、その副作用を理解して使っている方は少ないと言われています。ここでは、人気を集めているスマートドラッグの副作用を紹介していきます。
既にスマートドラッグを服用している、これから使おうと思っている方で副作用を良く知らないという方は是非ご確認ください。
- プロプラノロール(インデラル)・・・発疹、低血圧、頭痛、めまい、悪心、脱力感
- ピラセタム(ミオカーム)・・・白血球減少、眠気、軟便、肝機能障害
- アトモキセチン(ストラテラ)・・・食欲減退、頭痛、動悸、体重減少、そう痒症、多汗症、排尿障害
- シチコリン(シチコリン)・・・発疹、不眠、食欲不振、肝機能障害、一過性の複視、熱感
これらの主な副作用の他に「長期的な利用」「服用量を多くし過ぎる」「体質に合わない」などで重篤な副作用が現れてしまうことがあります。
スマートドラッグの重篤な副作用
スマートドラッグは、国内外で処方されているモノもあり、比較的に安全な薬が多いですが、まれに重篤な副作用を起こしてしまうことがあります。
ここでは、これまでに紹介したスマートドラッグの重篤な副作用を紹介します。
- プロプラノロール(インデラル)・・・うっ血性心不全、無顆粒球症、血小板減少症、紫斑病、気管支痙攣
- ピラセタム(ミオカーム)・・・けいれん発作、白内障
- アトモキセチン(ストラテラ)・・・肝機能障害、黄疸、肝不全(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)
- シチコリン(シチコリン)・・・ショック
スマートドラッグの併用注意、併用禁忌薬
スマートドラッグには飲み合わせの良くない医薬品、飲み合わせに注意が必要な医薬品があります。常用している薬がある場合などは、思わぬ副作用が現れてしまうことがあるので、よく確認することが必要です。
- 禁忌:リザトリプタン(マクサルト)
- 注意
リドカイン
カルシウム拮抗剤(ベラパミル・ジルチアゼム・ニフェジピンなど)
血糖降下剤(インスリン・トルブタミド・アセトヘキサミドなど)
クロルプロマジン
- 禁忌:特に報告されていません
- 注意:甲状腺抽出物(リオチロニン・レボチロシン)
- 禁忌:MAO阻害剤(セレギリン)
- 注意
サルブタモール
パロキセチン
三環系抗うつ剤
選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取込阻害剤
- 禁忌:特に報告されていません。
- 注意:特に報告されていません。
スマートドラッグの副作用、併用禁忌や併用注意の説明には、KEGG: Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomesを参考にしています。
スマートドラッグを飲めない人
記憶力や集中力などの脳機能を高める効果が魅力的なスマートドラッグですが、現在服用している薬との飲み合わせや持病などにより、スマートドラッグを利用することができない場合があります。ここではスマートドラッグを服用することができないケースを紹介します。
- 気管支喘息、気管支痙攣の恐れがある方
- 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある方
- 徐脈、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある方
- 心原性ショックの方
- 肺高血圧による右心不全のある方
- 低血圧症の方
- 長期間絶食状態の方
- 重度の末梢循環障害のある方
- 未治療の褐色細胞腫の方
- 異型狭心症の方
- リザトリプタン安息香酸塩を服用中の方
- 薬の成分に対し既往歴がある場合
- 重症腎不全のある方
- 脳出血の疑いがある、または確認されている場合
- 薬の成分に対し既往歴がある場合
- MAO阻害剤を服用している方、または服用を中止してから2週間以内の方
- 重篤な心血管障害のある方
- 閉塞隅角緑内障の方
- 薬の成分に既往歴がある場合