FAGA(女性男性型脱毛症)ってどんな脱毛症?脱毛パターンや治療の流れを紹介
FAGA(女性男性型脱毛症)は、分け目や頭頂部から広がるようにして進行する女性特有の薄毛です。
男性型脱毛症であるAGAと似ていますが、脱毛パターンや治療薬などは異なります。
このページではFAGAの脱毛パターンや原因、治療方法を紹介します。
FAGAとは?
FAGAとは日本語で「女性男性型脱毛症」のことです。
男性のように髪が抜け落ちツルツルになることはありませんが、頭頂部や髪の分け目を中心に以下のような症状があらわれます。
- 抜け毛の増加
- 軟毛化(細く弱々しい)による髪密度の低下
症状が進行していくに連れて、頭全体的に広がるようにして髪が薄くなっていくのがFAGAの特徴です。
FAGAの症状
FAGAの症状として知っておきたいのが、脱毛パターンです。
- ルードウィッグ型
女性にもっとも多いのが、このルードウィッグ型です。
頭頂部を中心に、全体的に薄くなっていきます。 - クリスマスツリー型
文字通り、分け目から枝を広げたように薄毛が広がっていきます。 - ハミルトン型
M字ハゲと呼ばれ、額の生え際に薄毛が現れます。
側頭部や後頭部から症状が進行していくことはありません。
FAGAが発症しやすい年齢
FAGAの発症しやすい年齢は、40~50代となっています。
このことからFAGAは、「壮年性脱毛症」と呼ばれることもあります。
また稀なケースではありますが、20代からFAGAを発症してしまうケースもあります。
FAGAとAGAの違い
FAG(女性男性型脱毛症)とAGA(男性型脱毛症)の違いは以下の通りです。
FAGA | AGA | |
---|---|---|
脱毛パターン | 全体的 | 局所的(生え際・前頭部・頭頂部) |
進行すると | 一定の毛量は維持される | ツルツル・髪の毛が生えない状態 |
原因 | ホルモンバランス以外にもさまざま | 男性ホルモン |
FAGAの原因はホルモンバランスだけでなく、さまざまことが重ねって発症してしまうこともあります。
また、FAGAとAGAでは治療薬が異なります。
FAGAの原因
ここからは、FAGAの主な原因や助長させてしまう行為について解説します。
ホルモンバランスの乱れ
FAGAの主な原因は女性ホルモンの減少です。
女性ホルモンの分泌量は20代後半がピークと言われ、30代からは徐々に分泌量が減少していきます。
それにともなってホルモンバランスにも変化が見られ、女性ホルモンより男性ホルモンが優位になるとFAGAの症状があらわれる可能性が高くなります。
特に40~50代の女性は、女性ホルモンの分泌が大幅に減少してしまう年齢のため、FAGAを発症しやすくなってしまいます。
本来、女性ホルモンには髪を守る働きがあることから、長く・太く、そしてツヤのある髪は女性ホルモンのおかげでもあります。
そのため女性ホルモンの働きが弱まってしまうと、抜け毛や軟毛化した髪が増えることで薄毛が広がっていきます。
過度なダイエット
髪の毛のほとんどはタンパク質で構成されています。
しかし、たんぱく質を髪のエネルギーとして使うためにはビタミンやミネラルといった他の栄養も必要になってきます。
そのエネルギーを通常は食事で摂取していますが、過度な糖質制限や断食などを行うと髪の毛に必要なエネルギーが不足してしまいます。
その結果、抜け毛、細い髪が目立つ、ハリ・コシがない、パサつくなどの薄毛や髪トラブルが起こりやすくなります。
生活習慣・ストレス
健康に良くないことのほとんどは、髪にとっても良くありません。
喫煙、飲酒、偏食、睡眠不足、ストレスなど、いずれも髪の成長に悪影響を及ぼす原因になり、FAGAを悪化させることにもつながります。
また、過度なストレスは以下の症状を引き起こしてしまう可能性があります。
- 女性ホルモンの減少
- 血行不良
女性ホルモンの減少はFAGAの発症の原因にもなるので、ストレスは過度に発散するようにしましょう。
また、生活習慣の乱れやストレスは血行不良を招いてしまいます。
血流が滞ると髪にエネルギー(栄養や酸素)を届けづらくなることから、FAGAの発症・進行を促してしまいます。
FAGAの治療法
FAGAには、内服薬・外用薬・施術といった治療方法があります。
それぞれの治療方法を詳しく説明しています。
【内服薬】FAGA治療薬
FAGAの基本の治療方法となるのが内服薬です。
主に発毛や抜け毛を抑える効果がある治療薬を服用します。
薄毛の状態によっては種類の異なる治療薬を併用することもあります。
ミノキシジル
内服薬の中で唯一、発毛効果が認められているのがミノキシジルです。
血管拡張作用によって毛包を刺激してあげることで新たな髪の成長や、今生えている髪を太く・長くしてくれる育毛効果も期待できます。
またミノキシジルには、内服薬だけでなく外用薬もあります。
外用薬は効き目がおだやかなことから、FAGAの進行が進んでいる方は内服薬を処方される機会が多くなっています。
スピロノラクトン
スピロノラクトンは、FAGAの進行の抑制、毛髪密度の改善が期待できる利尿剤です。
男性ホルモンの働きを抑える作用が認められているため、FAGAを抑制・予防するために使用されます。
副作用も少なく、ミノキシジルとの飲み合わせも問題ないことから、併用することで毛髪の発毛とFAGAの進行抑制が同時に行えます。
パントガール
パントガールは髪の毛の成長に必要な成分を豊富に含んだ”飲む育毛剤”と呼ばれている治療薬です。
パントテン酸、アミノ酸、ビタミンなど含んでおり、サプリメントに近い医薬品となっています。
臨床試験からは3ヶ月の服用で70%の女性に抜け毛減少がみられ、さらに20%は抜け毛がほとんどない状態にまで改善されたというデータもあります。
また副作用のリスクもほとんどないことから、「服用するのが不安…」という女性でも服用しやすくなっています。
【外用薬】FAGA治療薬
外用薬の特徴は以下の通りです。
- ピンポイントで治療が行える
- 効き目がおだやか
- 市販でも購入可能(薬局・ドラッグストア)
外用薬は薄毛が気になっている部分にだけ効果を期待することができます。
また、内服薬は全身に作用しますが、外用薬は頭皮に直接塗布するため、内服薬より副作用が起こりづらくなっています。
ドラッグストアや通販でも手軽に購入できるので、「抜け毛が増えた?」「頭が薄くなったかな?」というような方にオススメです。
リアップ女性用(リアップリジェンヌ)
女性用の発毛剤としてあるのが、リアップリジェンヌです。
有効成分はミノキシジルであるため、発毛・育毛、また抜け毛の減少などの効果が期待できます。
リアップシリーズには女性用、男性用がありますが、必ず女性用を使用してください。
ミノキシジル濃度に違いがあるため、男性用を使用するとかゆみやかぶれといった副作用が起こりやすくなります。
施術
最新のFAGA治療とされているのが、
- メソセラピー
- 植毛
この2つの施術になります。
FAGA治療では高額な治療に含まれます。
治療薬と組み合わせることで治療効果の促進や根本からFAGAを改善することができる治療方法です。
メソセラピー
メソセラピーは、ミノキシジルやスピロノラクトンなど投薬治療の補助として行う施術です。
そのため標準治療(内服・外用)だけでは効果に満足できない時に取り入れてみると、治療効率が上がることがあります。
一回では効果が出るわけではないので、多くの場合2~4週間ごとに6~12ヶ月の期間メソセラピーを行います。
ただし、注入1回あたりも高額であるので、医師と十分に相談して上で検討してみてください。
植毛
植毛はFAGAの影響をほとんど受けない、後頭部や側頭部から皮膚組織ごと気になる箇所に移植する方法になります。
FAGA治療の中ではもっとも大がかりなではあるものの、移植後に定着すれば自然なヘアサイクルで髪の成長が期待できます。
ただし移植できる数には限界があることから、投薬治療に限界がきた時の最終手段として検討してみてください。
FAGA治療の流れ
最近では、通院だけでなくオンライン診療などが行える、クリニックも増えています。
ここでは、来院・オンライン診療の治療の流れや無料カウンセリングについて説明します。
来院による診察の場合
直接クリニックに受診する際は、一般的な病院と流れが変わることはありません。
②受診
③診察のための頭部写真撮影、ヒアリング
④医師の診察
FAGA治療は自由診療となることから、医師の診察後に治療するかはご自身の判断となっています。
オンラインによる診察の場合
既存あるいはクリニック独自のアプリを使って、ビデオ通話で診察を受けるのがオンライン診療となっています。
流れとしては、
②予約時間にアプリを開き、ビデオ通話スタート
③診察のための頭部写真撮影、ヒアリング
④医師の診察
来院するのと流れは変わりませんが、クリニックに足を運ぶ必要がないのは大きな違いです。
また治療を希望する場合には自宅まで治療薬を郵送してもらえることから、時間がない方はメリットを感じやすいと言えるでしょう。
無料カウンセリングによる相談も可能
来院、オンライン、どちらであっても無料カウンセリングを実施しているクリニックがほとんどです。
もし地肌が目立つといった明らかな薄毛がなくても、「ボリュームダウンが気になる」「髪が弱っている気がする」といった悩み相談だけでも利用することができます。
いつまでも美しい髪を維持するためにも、些細なことでもまずは医師に相談してみてください。
FAGAの治療期間
FAGAの進行具合によって個人差はありますが、6~12ヶ月が治療期間の目安となっています。
長いと感じるかもしれませんが時間がかかる理由として、
- 治療薬はすぐに効かない
- 髪の成長スピードは治療で変えられない
このような理由から治療効果を実感するまでにはどうしても時間がかかってしまいます。
また、進行が軽度であれば治療効果も現れやすいため、症状が悪化する前に治療を行うことがオススメです。
FAGAの対策
FAGAの対策としてできることは以下のようなことが挙げられます。
治療を行いながら対策も平行して行うことがオススメです。
食生活の改善
髪の健康は食生活がベースとなっています。
野菜中心の食生活では、動物性タンパク質が不足しがちになります。
髪の健康を考えるなら野菜に加えて、鶏肉や豚肉などのお肉もバランス良く食べるようにしましょう。
睡眠時間
“睡眠”と”美”には、深い関係があります。
これは髪も例外ではなく、寝ている時に1日頑張った細胞たちのメンテナンスが行われています。
また、睡眠時は髪の毛の成長を促す成長ホルモンが最も分泌されます。
質の良い睡眠を取ることでFAGAを改善しやすい環境が出来ます。
- 6〜7時間の睡眠時間を確保する
- 夕食は寝る3時間前までに済ます
- 健康のために24時までには眠る
更年期の治療
更年期に入ると女性ホルモンの分泌量が大幅に減少するため、FAGAに悩む方も増加します。
更年期障害などの治療で使用されるホルモン補充療法を行うことで、FAGAの症状が緩和されることや人によっては薄毛の改善が見られることもあります。
薄毛だけでなく、のぼせ、発汗、イライラなど、更年期障害特有の症状が出ている方は医師に相談してみてください。
過度なダイエットを避ける
過度なダイエットは、FAGAの発症や進行を助長してしまいます。
- 栄養不足
- ストレスによるホルモンバランスの乱れ
- 血行不良
など
髪の毛の成長に必要な栄養素が無い状態になると、抜け毛の増加、髪質がボロボロになる可能性があります。
カロリーコントロールや運動を取り入れるなど、身体に負担の少ない長期的なダイエットを行いましょう。
FAGAの症状がある方は、まずは専門クリニックへ相談しよう
FAGAは原因が複雑に絡み合っていることもあり、日常的に改善が必要なこともあります。
また薄毛を起こすものには甲状腺疾患や鉄欠乏性貧血といった、その他の病気も考えられます。
1日でも早く髪を取り戻すためにも、まずは無料カウンセリングを利用して医師に相談してみてください。